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土木白書No.1:東電は高瀬ダムを諦め稼働停止すべき時

私はゲストハウス開業前は土木技術者として働いていた。。。

田舎にUターンして知ったのだが、市内にある高瀬ダムから毎年15万立米もの土砂を浚渫して町まで運搬している。

これはなぜかというと高瀬ダムの上流部から土砂が多量にダムに雪崩れ込んでダムを埋めてしまうからだ。

今まではそれをダンプ運搬していたのだが、それでは足りないから今後は山にトンネルを掘ってそのトンネルを利用してベルトコンベアで搬出するのだとか。その量は年間23万立米。

それを向こう100年間やるのだそうだ。。。

これを東電や国交相は「計画」というが、この残土、、、実は運搬先、、、すなわち処分場も決まってない。。。「計画」などという言葉が全くの「嘘」「デタラメ」

どうなるか?

大町市や長野県はその残土置き場となる。。。

こんな残土置き場が市内各所に増え続けているのに市民は何も言わずに・・・

実は高瀬ダムの上流部から雪崩れ込む土砂の量は年間75万立米以上と言われる。すなわち年間23万立米を浚渫してベルトコンベアで搬出しても年間に50万立米以上はダム湖に堆積されていくことになる。。。

それはさておき・・・

年間23万立米もの残土がこのように搬出されて市内に残される。。。

リニア新幹線でも最大の問題として扱われるのがこの掘削残土処理・・・

なのにここ大町市では全く市民にその内容すら知らされずに延々と残土を受け入れている。。。

行政のアホさ加減には呆れかえるばかり。。。

市長などにいくら言っても対応すらせず・・・

市長や議員など東京電力の営業マンの如くである。。。

私のような土木技術者から見たらこんなダムは早々に諦めて砂防ダムとしてその機能を転換すべきだというのが結論。。。

昨日山の上まで行って実際にその土砂の流入部を見てきたが酷い有様である。。。

上がダム湖の全体なのだが、主に土砂が流入しているのは写真の右下部の谷からでそれを拡大すると

ベルトコンベア輸送の前の現段階でとんでもない土量が押し寄せている・・

写真を見てわかる通り、これまでも毎年処理し続けてこの有様である。。。

これだけの土砂を処理できるはずもない。。。

しかも、実際には。。。

槍ヶ岳側からも土砂は押し寄せているのだ。。。

そして、その土はダム湖内に元々あった既存の高瀬第五発電所の取水口を飲み込んでおり高瀬第五発電所は既に稼働を止めている。

東電も国交相も県も市も、よっぽどこの土砂問題を隠したいのか、この発電所の稼働停止については発表すらしておらずひたすら隠蔽しているのが実態である・・・

この隠蔽などからわかるのは日本は決して中国やロシアや北朝鮮などを非難できる立場にはないってことだ。この21世紀において、水力発電所の一つが消えてなくなったのだ。それを公表せずに「隠蔽」なのだから恐れ入る。。。

そして恐ろしいことには、年間75万立米もの土砂が崩れ落ちている上流部の山肌を想像してみてくれ。。。

それだけ大規模な崩壊をし続けている山なのだから、いつ何時その規模を拡大してダムを押し潰してもおかしくはないと考えるのが普通だ。。。

世界ではこんな災害がある。。。

バイオントダム災害

1963年10月9日午後10時39分、ダム左岸(南岸)のトック山が2km以上に渡って地すべりを起こし、膨大な土砂が時速100km程度とされる[3]高速でダム湖になだれ落ちた。滑落した土砂は2億4000万m3と推定される。当時のダム湖には1億1500万m3の水が貯水されていたが、土砂に押し出されて津波となった湖水は対岸と下流に押し寄せた。右岸(北岸)に向かった津波は谷の斜面を高さ250mまで駆け上った。ダムから240m以上の高さにあったカッソの集落では、低い場所にあった家屋が波に飲まれた。また、5000万m3に及ぶ水がダムの天端(頂部)を100mの高さで飛び越えてピアーヴェ川沿いの村々を襲った[7]。とくに、峡谷の出口にあったロンガローネの集落は、上空から殺到する「水の壁」の直撃を受け、壊滅的な被害を出した。この結果、ダムの工事関係者と住民2125人が死亡するという大惨事となった。

要するに、ダム湖内で土砂崩れが発生し、その影響でダム湖の水がダムを越境し、ダムの下の村を丸ごと飲み込んでしまったという災害。

高瀬ダムも同様で、世界的にみてもこれほどダムの上で大規模崩落が起きているダムなど世界的に見ても例が無いほどのダムである。

元々東電がダムを作る場所を誤ったという場所でしかない。これをなぜ???大町市民と大町市の土地が犠牲となって延々とその土砂というか残土を受け入れて我々市民の安全も保証されないままになっているのか???

大町市の行政のアホさ加減にうんざりだ。。。

写真を見て誰もがわかると思うが、100年計画をやる前の現時点で山からの土砂の映像を見る限り「0年目」から既にこの計画は破綻しているのだとわかる計画である。。。

5年で東京ドーム1杯分の残土が大町市へ搬出される。。。

大町市は首都圏の人たちの電力確保のための残土置き場だ。。。

我々市民には何のメリットもなくただ危険だけが残土と共に残される。。。

東電も国交相も堂々とこの残土を「仮置き場」と言い張るが。。。

持って行き場所が無いものは明らかに「残土」だ。。。

さて、本題だがネット検索しても年間75万立米の土砂が山肌から崩れ落ちダム湖へと雪崩れ込んでいる。。。

それを100年かけて毎年土砂を浚渫して運び出すことでダムの寿命を延ばすのだそうだ・・・

素人が考えても馬鹿な話しだ。。。

だってそうだろう?今現在それだけのボリュームの土砂が崩れ落ちているのだ、、、

と言うか崩れ続けているのだ。。。

これほどまでの土砂の崩壊である。。。

年を追うごとにその崩壊する土量が増すと考えるのが普通だろう。。。

そしてたまには大規模崩壊もあるかもしれないと考えるのが普通だ。。。

これだけの崩壊なのだから毎年一定数量が崩れ落ちるなどと考える方がどうかしている。

今現在の写真を見ただけでも既にこれを浚渫してダムの寿命を延ばすよりも環境負荷を考えたらダムを諦めるのが妥当だと簡単な結論が出るはずなのに誰もそれを声をあげて言うものはこの国には存在しない。。。ロシアや中国や北朝鮮のような情報統制の日本・・・

この始末に困った東電と国交相と県と市が推し進めるのが「松糸道路」という大型の道路建設である。。。

大町市を残土置き場にしてしまえというのがこの大型道路計画。。。

邪魔な土砂をここに盛り土として盛ってしまえである。。。

その道路がどうしようもない計画で。。。

六百億円かけて、九キロ程度の整備で時間の短縮は現道と変わらず短縮にも何もならず、土を盛ることで大町市内から北アルプス一望の景観が無くなり、大町市の河川の下流部となる長野市など千曲川流域の氾濫を招くだけの何とも呆れ果てた計画なのであるからこれまた呆れて物も言えない・・・ただ単にこの高瀬ダム残土処理場を大町市に設けるというだけの市民からしたら馬鹿げた道路で、この道路が完成したら観光客は皆大町市を素通りして白馬や安曇野市へと抜けてしまい多くの店舗が閉店に追い込まれ、街の過疎化が加速するだけの道路・・・やれやれだ。。。

いったい、ここの行政を担う者たちはいつから東電の営業マンになってしまったのだろう?

誰もが「裏金?」と疑っても仕方ない。。。

日本政治は怖いものだ。。。

こんなことが市民の知らぬまに決められ進められていく。。。

1年半待たずして東京ドーム1杯分の土砂がダム湖に雪崩れ込む。。。

話題のリニア新幹線でも全体で東京ドーム50杯分の残土。。。

高瀬ダムは少なく見積もっても60杯分の土砂が100年間で押し寄せる。。。

この一つの小さな谷からダム湖へリニア新幹線の全残土量より多い土砂が発生するという事実を誰も認識すらしていない。。。

防御も制御も不可能な土量が押し寄せるのに、開始する前からその土の処分地は全く決まってもいない。。。

そして、行政はこれを計画だと言ってやることだけを決定している。。。

ただ単にこの日本の政治は恐ろしいの一言だ、、、

日本の政治力など無に等しい。。。

だから私などは生涯通じて一度も政治には参加することなく一生を終える。。。

高瀬ダムは東電が作る位置を誤ったのだから、素直にそれを認めて今後は砂防ダムとして機能を変換すれば良いのであって、機能維持のために土砂を搬出して市内に盛って環境破壊をするなど馬鹿なことはやめるべきなのだ。

世界遺産にも匹敵する大町市になぜ土砂を盛り上げて道路???

日本人は全く自分達の住む場所の価値をまるでわかっていない。。。

このような写真の土地に土砂を盛り上げて道路???

この国には自然保護とか環境保全を訴える機関はまるで無いかのようだ。

世界が笑っている。。。

日本人の愚かさを。。。

自然を守れぬ民がこの先生きていけようか?

こんな大型道路を作れば土地の保水力が失われ千曲川に氾濫しかもたらさない。。。

長野県は2019年に千曲川の氾濫で長野市など大変な目に遭っているのに全くそれから学ぶことは無い愚かな行政をしている。。。

地球温暖化による異常気象が毎年のようにあり、それにより災害は増加の一途を辿るのだが、今後は水が枯渇したり、一時的に莫大な雨で考えられない災害が起こることは確定しているというのに、河川の上流でこんな馬鹿げた乱開発をすべきでは無く、田んぼは自然のダムなのだから田んぼを残し地下水を蓄えでもしない限りは将来的に水田など水不足でできたものでは無くなるのだ。。。

市民を代表して言いたいが、首都圏の人たちよ、大町市は皆さんの残土置き場ではない。

首都圏の人たちが解決にあたるべき問題なのだが。。。

松糸道路の本当に愚かなことは。。。

下の地図の通りで上が松糸道路予定路線で下が現道。。。

わずかな距離だから短縮にもならないことは言うに及ばず環境破壊だけの道路である。。。

呆れ果てるついでにいうが六十キロ制限の一般道という馬鹿げたおまけ付き。。。

田舎道であるから現道でさへ信号機など少ないし時間短縮にはならない。。。

そして悪いことに道路は盛り土で下の形状。。。

これだと道路沿線にはお店を構えられないためミスミス観光客を逃すばかりか、この単なる通過道路となる大型道路のおかげで現道にある店には観光客が入らず、今まで通っていた通勤車両も通らなくなり現道沿いのコンビニなど店は撤退だろう。。。困るのは市民だ。。。益々過疎化が加速する。。。

大型道路は多くの地域で過疎化を加速させているという実態があるのだが市民の誰もその私の声に耳を貸さずに松糸道路賛成だ。。。

アホな市民。。。

ちなみにこんな記事を付け加えて話しを終える。。。

道路は地方を衰退させた

 

~活力を奪い、疲弊させるケースが多い~

 

公共事業と環境を考える会

 道路は地方の活力を奪った──。(2008年)2月13日の『朝日新聞』の「声」欄で、千葉市のある方がこう書いています。

      • 《私の出身地は房総半島の中ほどにあります。昔から町の中心を1本の県道が貫いており、両側の商店街は繁盛しておりました。
      •  ところが、バイパスができたために、酒屋も呉服屋も洋品店も眼鏡屋も時計屋も八百屋も魚屋も肉屋も旅館も食堂も売れ行きが激減し、閉店または開店休業となりました。
      •  バイパスが町を活性化したのではなく、反対に衰退・疲弊させ潰してしまったのです。》

まったくそのとおりです。

 「地方の活性化」をうたい文句にし、大型道路や高速道路が、いまも全国あちこちで建設されつづけています。しかし、高速道路が建設されると、「活性化」ではなく、地方を衰退・疲弊させるケースが圧倒的に多いのが実態です。

■東京湾アクアライン開通で木更津市の経済は壊滅状態

たとえば、東京湾アクアライン(横断道路)です。これができると、木更津・君津地域など南房総の人口が増え、経済が活性化するといわれていました。

しかし、実際に開通すると、木更津市などの経済は壊滅状態です。人口も減る一方です。対岸の神奈川や東京から人がやってくるどころか、逆に、木更津・君津の市民が東京湾アクアラインを利用して神奈川に買い物にでかけるという事態がおきました。つまり、アクアラインはストロー効果を果たしているのです。

昨年(2007年)2月11日の『朝日新聞』はこう記しています。

    • 《木更津は江戸時代から江戸と房総を結ぶ商業地。明治~戦前は軍隊、戦後は湾岸開発と続き、長らく内房きっての商業都市として栄えた。しかし、商圏の君津、富津、袖ケ浦の3市に商業施設ができたこともあり、バブル崩壊後はJR木更津駅西口前にあった木更津そごうが倒産、ダイエー、西友、十字屋も撤退し、商店街は閉店が相次いだ。

 

    •  輪をかけたのが東京と横浜への時間距離を一気に短縮したアクアライン。大量の消費者が流出しているとみられる。

 

    •  木更津商工会議所の統計によると、小売業の販売高は、91年の1713億円から、04年の1231億円まで13年間で500億円近く減少。商店数、従業員、売り場面積ともに大幅に減った。同市の市街地の現状は食品、日用品の買い物すら便利とはいえない商店過疎状態。》

 

    • 《市民の間では「ちゃんとしたものを買いたくても、売っている店がない」(企業経営者)との不満が強く、若者は「欲しい物はアクアラインをひとっ走りして東京、横浜で買う」のが現状だ。》

まぁなんだ。。。

土木業界や日本社会は裏ばかりだ。。。

私はその裏ばかりの世界が嫌で辞めた。。。

そしてその裏を書いた本を出したのがこちら。。。

これ読まずして土木業界を語るなかれ

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