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土木白書No.16:労災隠しが当たり前の現場

ゲストハウスの宿主となる前は土木業界にいたが、違法行為、不正行為ばかりで嫌になって辞めた。。。

よく皆さんも「労災隠し」などという言葉を聞くと思うが、土建業界ではその「労災隠し」を現場では当たり前のようにやっているのが現実だ。。。

私が勤めていたところで一つ例に出すと、、、

以前、高速道路のメンテナンスを主体業務とする会社に派遣会社を通じて出向し、高速道路会社から依頼のあった工事の施工管理と積算を行っていた。

そこの会社での安全管理は全くの素人で赴任してから驚くことばかりだった。。。

現場に行くと作業員などヘルメットすらしておらず、私がヘルメット被ってから作業してと言うと、なんと、なんと、、、ヘルメットすら会社から持ってきてなかった。。。

そんな会社である日の夕方、現場から戻ってきた作業員たちが何やらヒソヒソ話しをしていた・・・「あいつ、数日間はダメみたいだぞ」・・・そんな言葉が聞こえたので、もしやと思って作業員たちに問いただしてみると案の定・・・当日の作業で作業員が怪我をしていたのである。。。

その怪我も酷いもので、アスファルト舗装の補修に行って、舗装のクラックにアスファルトを溶かして埋めるという作業中に溶かしていた超高温のアスファルトを手にかけてしまったようなのである。。。

聞くとそれは昼前後のこと・・・

事務所に事故報告すらない・・・

・・・ということは・・・

連中は労災隠しをするという結論しかなくなる。。。

ヤレヤレ・・・である・・・

社内でそのようなケースの場合・・・

既に怪我は昼で夕方に事故報告すらない・・・

こうなると事務所の所長ですら聞いても「聞かなかったことにする」のがどこの現場でも同じ・・・「空気を読む」・・・日本社会のダメな一面。。。

残念ながら私は「空気の読めない人間」だから直ぐにNEXCOへ報告。。。

報告された事務所の所長や関係者一同は慌てて、その後事故報告書を書くことに・・・

こんな事務所だったから私など毎回毎回怒っていた。。。

私の立場は派遣会社に雇われた人間で、一番の下っ端。。。

そんな私がその後どうしたか?

事務所の所長以下事務所の全員を集めて「朝礼くらいしろ!!!」

脅し上げた(笑)

高速道路会社のメンテナンスをする会社であるから全国数十ヶ所に事務所を構える大会社であるが、あまりにレベルが低すぎ。。。

すると社員からは

「そんな朝礼など全国どこもやっていない」

「そんな時間に誰も集まれない」

・・・と・・・全否定された。。。

そこで私は「私が先頭に立って一人でやるから、皆さんは出てこなくて良いので下請け各社に連絡だけしてくださったらけっこう」と言ってやった。。。

そんな私の脅し上げに事務所の所長が嫌々ながら「試しにやりますか」と折れた。。。

驚いたことに、朝礼をやってみると多い日には100名以上の下請け作業員が集結するのだ。。。

これだけの規模の作業員を毎日抱える事務所は土木工事現場ではそうそうあるものではない。。。

それほどの規模の会社であるのに全国どこの事務所でも朝礼すらやってなかったのだ。。。

結局は、この事務所でやった朝礼が今では全国に広まり。。。

全国どこの事務所でも安全朝礼を済ませてから1日の作業を開始するようになった。。。

全国どこもやってない→全国でどこでもやっている。。。

こんなお爺ちゃんに脅される前にきちんとやるべきことはやれと言いたい。。。

それが今の土木業界の実力だから情けないが。。。

問題を問題とも思わない。。。

問題だとわかっても内部で解決はできない。。。

これまで私は派遣されて、その派遣先の違法行為や不正行為を正すのに動いてきたが、その結果は散々だった。。。

この事務所から出るときに派遣会社からは「もう二度とあなたのような発注者と揉める人は雇わない」と言われ、その派遣会社はもちろんのこと他の派遣会社にも連絡を入れられて仕事がもらえないようにされたりもした。。。

私が思うに、人生最後となった時にどちらの人間でいたことがよかったか?それを自問自答してみて、良いと思ったことが実社会では自分に不利となるようなことばかりであっても、自分が良い、正しいと思ったことを貫いて人生を送る方が良い・・・

・・・これは間違いない・・・

私は今でも、全ての人を敵にして過ごした土木業界の日々に後悔は全くない。。。

他の人のように後ろめたいことは全くないからだ。。。

今回は労災隠しについて話したが、労災隠しなどしても、もしその被災者に後遺症でもでたらどうする???

労災手続きもせずに、虚偽で一般の個人が持つ健康保険証を使って治療し、費用も当事者である被災者が自ら負担して、挙げ句の果てに、後遺症まで自分持ち、その後の補償なし・・・

残念ながら「軽傷だから自分で治療して」という労災隠しは全国で後を絶たないのが現実である。。。

それで現場事務所には虚しいのだが安全看板に「無事故〇〇時間達成!!!」などという虚偽看板が掲載されることになる。。。

目標達成のためには手段を選ばず。。。

日本人の悪いところは、現場で怪我をすると会社に迷惑がかかるとか思ったり、恥ずかしいことでもしたかのように思って、労災とはしないでおこうと労災隠しに手を染めることだ。。。

本当は被災者のことを考えるまでもなく正直に労災申請をして後々、怪我が完治するまでを会社できちんと責任を負い、同時にその事故報告を活かして、その後の安全管理を徹底させることが最終的には会社の利益となるのであるが・・・

こんなことを書いて著書にしてみた。。

これ読まずして土木業界語るなかれ

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