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日別アーカイブ: 2024年9月4日

土木白書No.29:施工者の技術低下は深刻なのだが。。。

ゲストハウスの宿主となる前は土木業界にいたが、違法行為、不正行為ばかりで嫌になって辞めた。。。

現場で施工管理員として働いていた。仕事内容は、ゼネコンさんの工事の良し悪しを現場を見て判断するのであるが、私が施工管理員として働いた過去30年間は本当に酷いものだった。。。

「技術立国日本」そんな言葉は現場では随分前から「死語」である。。。

我がゲストハウスがある長野県でも災害復旧工事で上写真のような事件があった。。。

内容は簡単で、ゼネコンが所長以下下請けまでもが未経験者を揃えてやったところ、とんでもない構造物が出来上がったというもので、それが発覚して全て最初からやり直し。。。

施工不良箇所1万3千カ所・・・って調べた人がすごい(笑)

要するに施工した全てが悪かったという一言で済む話しを1万3千カ所という数値化しているだけなのだが。。。

残念ながら、こんなのは氷山の一角で、これなどは悪過ぎたが故に表面化した事件となってやり直しをしたのだから、逆に言えば国民からすれば良かった事例である。。。

残念ながら、この事件のように施工不良が発覚せずにそのまま完成品として河川や道路が既に運用開始されているという施工不良現場が全国には数えきれないほどたくさんある。。。

幸にして私は田舎暮らしを開始して、恐ろしい施工不良の高速道路や国道などを利用するケースはほとんどないので安心して暮らせている。。。

私が施工管理員として見た現場など、どれもこれも酷かった。。。

ゼネコンさんから、高速道路のガードレールが設置終えましたというので現場に向かい、完成したガードレールをチェックすると、締まっているはずのガードレールのボルトがゆるゆるで全く締まっていなかった・・・なんてのは序の口・・・

盛り土斜面に石積みをしている現場で施工状況を確認すると、石積みの裏に詰めるコンクリートを打設していたのだが、裏込めコンクリートはコンクリートを良く締め固めないと、コンクリートがスカスカとなって、完成後に雨でも降ると、石積みブロックの水抜きパイプから出水するはずの浸透雨水が、石積みブロックの目地からシューシュート噴き出ることになる。このスカスカ石積みはハッキリ言って、盛り土側からの圧力に対して耐力不足となり崩れやすい。。。

こうならないために現場ではコンクリート打設時にコンクリートを締め固めるためバイブレーターを使用するのだが、私の見に行った現場ではそのバイブレーターすら用意されてなかった。。。

私はその後、ゼネコンさんにそれらを指導して改善を促したのであるが、私が見に行く前に出来上がった石積みからは雨の日になると案の定、水抜きパイプからではなく目地から雨水がシューシューと音を立てて漏れていた。。。

いうまでもなくやり直しだ。。。

鉄筋コンクリート構造物ではこんなことがあった。。。

配筋が終わったので確認願いますとのことで現場に。。。

現場で図面を広げて。。。

実物を見て。。。

図面では横筋が15本。。。

実物は14本。。。

ゼネコンさんとお互いに顔を見合わせて???

型枠の一番上にコンクリート天端となる位置を記した墨が打ってあったので、その墨から基礎コンクリートの天端までの高さを測ってみると。。。

・・・高さ不足・・・足りない・・・

翌日に手配されていたコンクリート注文は取り止めて、配筋した鉄筋も型枠も全て解体して最初からやり直し。。。

こんなのばかりだ。。。

こんなのばかりを見せつけられると工事の施工管理員などやりたくなくなる。。。

目が届かない箇所などどうなっているのやら???

恐ろしくなって早々に土木業界から足を洗って正解だと私は思う。。。

昨今の現場で怖いのは、「当たり前のことを当たり前にやっていない」ことと、現場で仕事をする人たちが「当たり前を知らない」ことにある。。。

こんな土木業界に政府は湯水の如くにお金を使っている。。。

私が見てきた土木業界は本当に無駄な予算の垂れ流しでしかなかった。。。

なかなか本来必要な教育・医療・福祉にお金が回らない。。。

当たり前だ。。。

日本は無駄使いがあまりに多過ぎるのだから。。。

そんなぼやきを本に。。。

これ読まずして土木業界語るなかれ

 

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